本研究プロジェクトは、科学技術振興事業団における戦略的創造研究推進事業 (CREST) として遂行されるもので、正式な研究課題名は 「北東アジア植生変遷域の水循環と生物・大気圏の相互作用の解明」 といい、英語名 (The Rangelands Atmosphere-Hydrosphere-Biosphere Interaction Study Experiment in Northeastern Asia)の頭文字から RAISE (レイズ) と称しています。 “水の循環予測及び利用システムの構築”を戦略目標として平成13年度に新設された研究領域 「水の循環系モデリングと利用システム」 [統括者 : 虫明 功臣 (東京大学生産技術研究所 教授)]では、初年度に本研究課題を含め6件の課題が採択されています (表1)。 採択された課題はいずれも、世界の、とりわけアジアの水問題の理解と解決に取り組むものですが、対象とする地域、そして時空間スケールはそれぞれの課題で異なります。

 本プロジェクトが対象とする北東アジアの乾燥・半乾燥域は、植物生産性が低く、気候変動や人間活動などの影響を受けやすい地域です。 事実、本地域では最近、年々の降水量の減少と気温の上昇とが観測されており、また過放牧による砂漠化の危険性も指摘されています。 したがって、この地域における水循環と生物・大気圏の相互作用の解明は、重要かつ極めて緊急性の高いものであると言うことができます。 そこで本プロジェクトでは、まず現在の状況を現地観測により把握し、多種多様なプロセスをモデル化し、総合化します。 さらに、構築されたモデルを利用して将来予測を行い、望ましい水利用システムを提案してゆきます。
表1 平成13年度採択課題
代表者氏名 (所属) 研究課題名
沖 大幹 (東京大学・生産技術研究所) 人間活動を考慮した世界水循環水資源モデル
木本 昌秀 (東京大学・気候システム研究センター) 階層的モデリングによる広域水循環予測
楠田 哲也 (九州大学大学院・工学研究院) 黄河流域の水利用・管理の高持続性化
杉田 倫明 (筑波大学・地球科学系) 北東アジア植生変遷域の水循環と生物・大気圏の相互作用の解明
寶 馨 (京都大学・防災研究所) 社会変動と水循環の相互作用評価モデルの構築
中村 健治 (名古屋大学・地球水循環研究センター) 湿潤・乾燥大気境界層が降水システムに与える影響の解明と降水予測精度の向上