要旨


衛星計測による熱赤外域の放射温度を地表面熱収支モデルに適用し、広域の熱収支分布推定を行った。対象地域はモンゴル国東部を流れるヘルレン川流域で、主に典型草原からなる。このため、熱収支モデルには植生キャノピーと土壌からなる二層モデルを用いた。対象期間は2003年の植生期間である。本研究の目標、典型草原の代表的な地点において熱収支の時系列を再現すること、並びに対象地域における熱収支の空間分布を推定することである。空間最適化による熱収支日変化の推定値は観測と良い一致を示した。典型草原の代表点におけるフラックス推定では、植生期間の顕熱・潜熱フラックスを日々変動ベースで15Wm-2以内で推定することができた。蒸発効率と土壌の熱慣性は浅い層の土壌水分と高い相関があった。これは、熱慣性によって地表面の水分条件を推定できる可能性を示唆している。