要旨


北東アジアの乾燥気候形成には,従来考えられてきた水蒸気の遮蔽効果はほとんど影響を及ぼしていない.それに対して,乾燥地域の上空では定常的に沈降場になっており擾乱の通過に伴う降水システムが局所的に減衰することが数値モデルを用いた感度実験により調べられた.この沈降流の形成には,帯状平均場とチベット高原の地形による山岳波や定在波の影響は非常に小さい.しかし,チベット高原は平均標高が4000mを越え,同じ高度の周囲の大気にくらべ非常に強く加熱されている.そのため,非断熱加熱のロスビー応答として,乾燥地域の上空で沈降流が卓越していることが示された.