要旨


モンゴルでは,全水消費量の80 %を地下水資源に頼っている.その一方で,地下水に関する基本的な情報が十分ではないという現状がある.モンゴル地理生態研究所・モンゴル気象水文研究所が保有しているモンゴル全土の地下水データベースは,1970年代にソ連主導の元で掘削されたボーリング情報を基にしており,更新されていない.首都ウランバートルとその近郊地域では,人口増加,経済発展に伴う水需要の増加で,飲用水井の水位低下や水質悪化が懸念されているが,モニタリング用の観測井ネットワークが整備されていない.こうした現状を考慮し,また2002年からJSTのCRESTにより実施されているRAISEプロジェクトの成果を踏まえ,モンゴルの地下水を中心としたトレーサー水文学研究の課題と可能性を提示する.