要旨


NCEP/NCAR再解析データを用いて,モンゴル南部の乾燥草原域におけるPDSIを算出し,その長期変動傾向を解析した.解析結果から,1965年以降この地域では旱魃が多発するようになり,特に1967〜1972年の6年間と1995〜2003年の9年間は,連続して(夏季に)特に厳しい旱魃が生じていたことが判明した.また,旱魃の影響はNDVIの変動にも見出せたが,牧畜業に対する影響は単純ではなかった.大規模な旱魃の発生が見られない1970〜80年代には,旱魃による家畜の激減といった影響は認められないが,厳しい旱魃が連続して発生した1960年代と90年代では,旱魃の深刻さに応じた家畜頭数の変動が認められた.しかし,1990年代の旱魃の影響は馬のみに見られ,羊と牛に関してはむしろ人為的コントロールの影響が強いことが示された.